点数制度のあらまし
 
●点数制度のあらまし
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1. 点数制度のねらい
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2. 違反行為に付される点数(基礎点数)
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3. 交通事故に付される点数(付加点数)
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4. ひき逃げ、あて逃げに付される点数(付加点数)

1.点数制度のねらい

 点数制度とは、道路交通法に基づき自動車等の運転者の交通違反や事故に、内容に応じて定められた点数をつけ、3年間の合計点数によって免許の停止や取消しなどの処分や、講習を行う制度です。

この制度のねらいは、次の3点です。
繰り返し違反のあった運転者を的確に把握して、その累積点数に応じて適正な行政措置(行政処分)がなされることによって、交通事故を未然に防止しようとすること。

個々の交通違反などに付されている点数や処分の基準点数があらかじめ公表されていることいよって、運転者の自制に基づく安全運転の励行が期待されること。

累積点数によって、定型的・画一的にその運転者の危険性を評価推認することによって、処分の公平性が保たれるとともに、1年以上の無事故・無違反の期間がある場合は、点数の計算に優遇措置を設け、安全運転への動機づけが図られていること。

交通違反点数一覧表
(平成14年6月施行)
交通違反の種類 点数 酒気帯
び点数
酒酔い運転 25  
麻薬等運転 25  
共同危険行為等禁止違反 25  
無免許運転 19 20/23
大型自動車等無資格運転 12 13/19
仮免許運転違反 12 13/19
酒気帯び運転 6 /13
過労運転等 13  
無車検運行 6 9/16 
無保険運行 6 9/16 
速度超過 高速自動車道路、又は一般道路の区分 高速 一般 高速 一般
50km以上 12 12 13/19 13/19
40km以上50km未満 6 6 9/16 9/16
35km以上40km未満 3 6 8/15 9/16
30km以上35km未満 3 6 8/15 9/16
25km以上30km未満 3 3 8/15 8/15
20km以上25km未満 2 2 7/14 7/14
15km以上20km未満 1 1 7/14 7/14
15km未満 1 1 7/14 7/14
積載物重量制限超過 大型車、又は普通車の区分 大型 普通 大型 普通
10割以上 6 3 9/16 8/15
5割以上10割未満 3 2 8/15 7/14
5割未満 2 1 7/14 7/14
安全運転義務違反 2 7
幼児等通行妨害 2 7
騒音運転等 2 7
消音器不備 2 7
高速自動車国道等運転者遵守事項違反 2 7
免許条件違反 2 7
番号標表示義務違反 2 7
保管場所法違反 道路使用 3  
長時間駐車 2  
牽引自動車本線車道通行帯違反 1 7
通行帯違反 通行帯 1 7
大型貨物 1 7
路線バス等優先通行帯違反 1 7
信号無視 赤信号 2 7
点滅 2 7
通行禁止違反 2 7
通行区分違反 2 7
急ブレーキ禁止違反 2 7
追越し違反 2 7
踏切不停止等 2 7
優先道路通行者妨害等 2 7
交差点安全進行義務違反 2 7
横断歩行者等妨害等 2 7
徐行場所違反 2 7
指定場所一時不停止等 2 7
放置駐車違反 駐停車禁止場所等 3  
駐車禁止場所等 2  
駐停車違反 駐停車禁止場所等 2 7
駐車禁止場所等 1 7
整備不良 制動装置等 2 7
尾灯等 1 7
進路変更禁止違反 1 7
交差点右左折方法違反 1 7
指定通行区分違反 1 7
交差点優先車妨害 1 7
合図不履行 1 7
乗車積載方法違反 1 7
定員外乗車 1 7
積載物大きさ制限超過 1 7
積載方法制限超過 1 7
転落等防止措置義務違反 1 7
転落積載物等危険防止措置義務違反 1 7
座席ベルト装着義務違反 1 7
乗車用ヘルメット着用義務違反 1 7
自動二輪車乗車方法違反 1 7
初心運転者標識標示義務違反 1 7
初心運転者等保護義務違反 初心者等 1 7
高齢者 1 7
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2.違反行為に付される点数(基礎点数)

 点数制度上の「違反行為」というのは、「自動車等の運転に関し法もしくは法に基づく命令の規定または法の規定に基づく処分に違反する行為で、令別 表第一の一の表の上欄に掲げるもの」(道交法施行令第33条の2第1項)とされています。
 すなわち、表のように細かい違反行為を区分し、悪質危険なものは15点から6点までの高い点数を、また軽微なものには3点ないし1点の低い点数が付されています。このように個々の違反行為に付された点数を「交通違反の基礎点数」といいます。
 違反行為でも、この表にないもの(たとえば運行記録計不備、免許証不携帯など)には、点数はつけられていません。
 また、同時に2以上の違反行為をしたときは、これらの違反行為の点数のうち、もっとも高い点数がつけられることとなります。たとえば、酒に酔って速度超過をしたときは、酒酔い運転の15点がつけられます。
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3.交通事故に付される点数(付加点数)

 交通事故を起こすと、その事故の原因となった交通違反の基礎点数に、表のような交通 事故の付加点数が加算されます。
 たとえば、自動車で徐行すべき場所を徐行せず通行したため、責任の程度が重い軽傷事故を起こした場合、徐行場所違反の2点に責任の程度が重い軽傷事故の6点が加算されて、合計8点となります。
 重傷事故か軽傷事故かは、負傷者の治療期間が30日以上か、30日未満かによって区別されます。負傷者が複数のときは、もっとも負傷の程度の高い者に係る治療期間が付加点数の対象となります。
 なお、建造物損壊以外の単なる物損事故を起こした場合には、交通事故による点数は付加されません。したがって、単なる物損事故を起こした場合は、その原因となった違反行為に付する基礎点数だけで評価されることとなります。たとえば、追越し違反をして駐車車両に接触し、車両に損害を与えたとき、その事故は単なる物損事故ですから、この場合は追越し違反の2点だけということになります。

事故の種別 責任の程度
重い 軽い
死亡事故 13点 9点
重傷事故 30日以上 9点 6点
軽傷事故 15日以上30日未満 6点 4点
軽傷事故 15日未満 建造物損壊 3点 2点
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4.ひき逃げ、あて逃げに付される点数(付加点数)

 ひき逃げやあて逃げをした場合には、基礎点数に前に述べた交通事故に付される点数と、さらに、次の点数が加算されます。

 たとえば、交差点安全進行義務違反により、不注意の程度の軽い重傷事故を起こして、ひき逃げをした場合ですと、まず交差点安全進行義務違反の2点と交通事故に付される点数6点と、さらにひき逃げの10点が加算され、18点となります。

 また、さきの交通事故に付される点数は、建造物損壊事故としており、単なる物損事故は含まれていませんでしたが、このあて逃げの場合は、建造物に限らずその他の物損事故も含まれることとなっていますので留意してください。
過去5年以内の免許取消し歴等 故意による道路外致死傷 15点の重大違反唆し、又は人の死亡にかかる 道路外致傷でもっぱら本人の不注意によるもの
なし 欠格期間3年 欠格期間1年
あり 欠格期間5年 欠格期間3年
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