あとがき  P41
日本には美しい国土をつくる土壌は十分備わっている。緑の豊かな自然と潤いのある景観、爽やか美人になる条件は完璧にある。


サルー!!(乾杯)

5 歩く路と広場の楽しい仕組み
 定規と基準書(マニュアル)を、はみださない様にすると安心して仕事ができる。アミダクジは、線を辿って行くと当たりがあったり外れがあったりスリルがあって面白い、からくり人形は、意外なところに面白い仕組みが組み込まれている。楽しい街づくりとは、街を楽しく歩く人に『アッ』言う驚くようなからくり、びっくりするような仕組みをつくることであるようだ。広場が欲しい、公園でも道路でもない、自由な仕組みをつくることができる環境をつくることができるか。

6 街づくりの建物と広場の取り合わせ(街路・広場・建物の役割とけじめ)
 背の高い人、太っている人、それなりに自分の住みやすい・馴染みやすい広さの空間があるようだ。街路・広場と建物の高さのバランスも、人間に心地よい空間を提供する意味で重要である。空間の役割は、街の路と建物とのバランスよって、『シャンゼリゼ通り』ように爽やかな気品のある都市空間となり、裏通りのような生活の匂い充満する空間となるようである。賑わいのある空間とは、狭い農道に高層ビル、100m街路に平屋建のように高さと広さがアンバランスではダメ・ダメである。人によって狭い囲まれた空間が好みの人がいる。山形には花笠通りという路地があり、人の肩に触れ合いながら自分の店にいそいそとでかける人がいる。ここにこそ自由な広場が欲しい。

7 帰りの機内はスペシャルサービス
 飛行機には、エコノミー、ビジネス、ファーストのそれぞれクラスの席があることは、以前から知っていたが、ビジネスクラスは素晴らしい憩いのスペースである。

 
手取り足取りのサービスとはこのことを言うのだ。イスに座ればおしぼりと飲み物、個人専用のテレビを見ながらフランス料理、ソムリエ(スチュワーデス)がワインのラベルを説明する(内容は不明)。首を縦に振って満足げにグラスを傾ける。ゆったりとした気分で成田に降り立った。喫煙エリアで一服をしながら日本の空気を満喫する。東京駅の天麩羅そばは、ビジネスクラスにない素晴らしいスペシャルサービスであった。

8 二流国とスペインを馬鹿にするな(経済大国の街づくりと二流国の街づくり)
 GNPを比較すると問題にならないなどと、二流国を見に行くような感覚でスペインに舞い降りた。1,000ペセタ(約600円)でビールと酒の肴2品で満足できる。安い毎日でも楽しめそう。では、街づくりはどうか、素晴らしい・奇麗だ・気品がある・文化が薫る・丁寧なつくり・楽しい工夫等ほめ言葉が並べきれない、頑張っていると脱帽である。

9 来年に向けて戦いは始まった(新たな世紀の新たな研修の夢)
 旅も終演となりましたが、スペインの思い出はまだまだ余韻が続いている。今年は、掘先生のお計らいにより前後半併せて26名の参加で、研修を行うことができました。既にそれぞれの職場でご活躍と思いますが、この研修がより発展し、その成果がいつか山形に花咲くことを確信する。なぜなら、あんなに熱心に歩きながら街の仕組みを学習し、街を楽しんできんだもの(自分はどうだったのか反省する。)。
 さて、来年は21世紀である。来年の第4回の研修旅行はお待たせの『イタリア』である。新たな世紀を迎え、この景観研究会の研修も新たな・楽しい仕組みを目指すことが望まれているようである。
 最後になりますが、堀先生には旅の企画から景観指導、さらには現地の案内までお願いしまして深く感謝申し上げます。これからも山形県のために、ご指導下さいますようお願い申し上げます。


ミハスの展望台にて

         (伊藤 昇)
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