Pキャン日記4
津軽半島一周2泊3日の旅
平成10年5月2日〜5月4日
「道の駅 なみおか」1泊
「道の駅 象潟」1泊

地図
以前から十二湖、十三湖という青森県の日本海側にある湖が気になっていた。まだ行ったことが無いせいかも知れないが、なんとなく神秘的な響きの名前だからだ。東北地方はほとんど走破したつもりの筆者だったが、如何せん範囲が広すぎて、高速道路からはずれた地域はまだまだ未訪問の土地があるようだ。よってこのゴールデンウィークを利用して行ってみることにした。
ひとつ気がかりだったのは、2月に生まれたばかりの長男のことで、女房の異もあったのだが、無謀とは知りつつも結局連れていくことにした。参加者は筆者と女房、長女、次女、長男である。なお、愛犬チロは毛が生え代わる時期で、脱毛が激しいため女房の実家で留守番をしてもらうことになった。全行程1,100qの旅である。

《今回新たに用意した物》
30px90pの板2枚…筆者のベッドメークはシートを倒してその上に2段ベッドの敷板2枚を置きダブルのマットを敷くのだが、これまでは2段ベッドの敷板だけでは30pほど幅が足りなかったため銀マットを置いて補っていた。しかし、新しく板をはめ込むことでより畳の上に近い環境になった。

乾電池式のランプ…エンジンを止めた後の室内照明用に、乾電池式のランプ1個を途中のホームセンターで追加した。これで1階、2階とも明るく過ごせる。


5月2日(土)
【行程】
高速道路:山形道・関沢i.c(自宅13:00発)→東北道→秋田道・男鹿半島i.c
一般道路:昭和町→能代市→大館市→弘前市→浪岡町(道の駅なみおか22:00着)

連休といっても5/2(土)から5/5(火)までで、最終日は都合が悪いため長くても2泊3日しかとれない。おまけに天気予報はうれしくないことばかり言ってくれるし、気乗りがしないまま出発の朝を迎える。行程のわりには旅行期間も短い。天気も思わしくないようなので、今回はテントを持たずに愛車フレンディで車内泊をしながら廻ることにした。しかし、本日の山形市は、天気予報とはうらはらに青空が見えている。長女を学校に送り出すと同時にウキウキ気分で荷物の準備を始めた次第である。車内泊の場合はできるだけ荷物を少なくするのが鉄則。とりあえず2日分の水と携帯電話などを準備する。人数分のシュラフや敷板、ダブルマット、小型ガソリンバーナー、食器類、電池タイプの室内照明は、常時愛車に積んであるので良しとする。ついでに熟睡できるよう個々の枕を愛車に常備しているものと交換した。

筆者の準備と点検は1時間もかからずに済んでしまったので、あとは女房担当の長男のミルクや着替え、ベッド兼移動用かごの準備と、財布や保険証のチェックだ。それが終われば長女の帰りを待つばかりである。手持ちぶさたになったので、とりあえずNiftyのフォーラムを巡回し、ついでに職場に新しく設置したサーバのチェックをする。このサーバは導入したばかりなので、安定するまでときどき見てやらねばならず、旅行の間がやや心配だ。
13時前、やっと長女が学校から帰ってきたので、家族全員そそくさと車に乗り込んだ。今日は時間がないのでできるだけ目的地の近くまで行こうと、持参のおにぎりを頬張りながらいつものインターから山形自動車道へ滑り込む。

津軽半島を日本海側から廻るつもりなので、東北自動車道から秋田自動車道へ移り、男鹿半島ICで高速を降りる。天気もだんだん悪化してきた。能代市の手前で女房と運転を変わる。ここまでくれば本日のPキャンプ予定地「道の駅はちもり」は間もなくだろうし、明日はそのまま7号線を北上すれば十二湖あたりにたどり着くだろう。筆者は地図などチラっとしか見ずにビールを片手に呑気にかまえていた。しだいに周りも暗くなってきて、雨もどしゃぶりになってくる。

しばらく走っているうちに、左に見えていた日本海沿岸独特の風景がいつのまにか見えなくなっている。はて?おかしいなと思いながら、再度、地図を確認したところ、既に我が愛車は大館市の手前を走っていたのである。東北自動車道の車が我々のとなりを並んで走っているではないか。景色が変だと感じたとき、実は昔の事件が脳裏をよぎったのだが、それがまさに現実のものとなっていたのである。
それは10数年も前の話だ。女房の運転する車で日光にドライブに行こうとしたときのことだった。そのとき筆者は助手席でうつらうつらしてたのだが、山形自動車道から東北自動車道へ移る際、女房は呑気な顔をして北に進路を取って運転していたのである。(◎-◎)
女房の方向音痴は周知の上だが、筆者は、おもわず「まぬけ!!」という言葉を発するに至った。次のインターチェンジから南へ向かったわけだが、女房の機嫌を損ねてしまい、せっかくの行楽も台無しになったというおそまつな事件である。しかし、今回は筆者自身も呑気に構えていたので女房を責めることなどできない。(^^;)

わざわざ男鹿半島まで高速料金を払ったのに、再び東北自動車道のそばまで舞い戻ってくるとは、いったい何のための秋田自動車道だったのか。などとお互いにぼやきつつ、「道の駅ひろさき」をめざして北に向かって走り続けた。途中のドライブインで夕食でもと考えていたが、適当な場所が見つからないまま「道の駅ひろさき」に到着してしまう。しかし、パーキングは狭い上に満車状態。しかたなく弘前市郊外のドライブインで夕食を取ることにして、次の「道の駅なみおか」をめざすことになった。

夜もふけてきたので、目的地を通過しないように注意しながら、午後10時ごろやっと「道の駅なみおか」に到着する。ここで、どしゃぶりの中、ベッドメークをするわけだが、これがまた大変な作業なのである。雨が降っているので作業をするのはおのずと筆者のみになる。とりあえず作業終了まで、他の面々はAFTに上がってもらい、筆者はカッパを着て外に出る。よけいな荷物をどけたり、なかなか平坦になってくれない椅子を倒したり、ベッドメークに一苦労である。やっと作業が終了して一息ついた頃、上にいた者は何事もなかったようにぞろぞろと降りてくる。いつもの光景である。ここはテレビもまともに映らないため、そのまま眠ることになる。就寝レイアウトは筆者と長女、次女が下のベッドで女房と長男がAFTのベッドである。車内は蒸し暑く、窓を開ければ雨が入ってくるし、なかなか寝付けない夜だった。


5月3日(日)
【行程】
一般道路:浪岡町(道の駅なみおか7:00発)→青森市→蟹田町→今別町→龍飛崎→小泊村→十三湖→十二湖→能代市→象潟町(道の駅象潟19:30着)

道の駅なみおか
津軽半島のとあるパーキング
海底トンネル
龍飛崎
龍飛崎の風力発電機
今日の天気は、雨はひとまずあがったがまだまだ本調子ではなさそうだ。パーキングでお湯を沸かし、長男のミルクを作ってそのまま龍飛崎をめざして出発する。他の面々の朝食は、途中のパーキングでカップヌードルで済ませることになった。
昼前、余裕で龍飛崎に到着し観光を開始する。かつて、下北半島の大間に行ったとき、うっすらとしか見えなかった北海道だったが、ここからは目の前にはっきりと見ることができる。距離は20qくらいあるらしいが、ほんとうに湖の対岸と思うほど近くである。また、「風の岬」というだけあって、そうとうな風がふいている。岬の丘の上には、風力発電所の数台の風車が元気良く回っているのが印象的だ。

まずは青函トンネル記念館で体験ケーブルカーに乗り込み、海底トンネルの世界を体験する。一気に海底まで降りた所に海底駅がある。そこで帰りを待っている前組の観光客を我々が乗ってきたケーブルカーに押し込む。同時に、前組と同じガイドが我々を案内していく。これをピストン輸送と言うのであろうか。一回り40〜50分の観光だがタバコが吸えないことがつらい。海底ではトイレも無いので幼児連れの方は地上駅で済ませるようにしたい。それからケーブルカーはぎゅうぎゅう詰めになるので、座りたければできるだけ前のほうに並んだほうがよい。まあ、子どもをだっこしていれば座れるように案内してくれるので幼児連れは安心だが。

次に龍飛崎灯台へ行く。あまりの風のため、灯台まで上ったのは筆者と次女だけで、他の3人は駐車場の売店で買い物をしていたようだ。龍飛崎観光も滞りなく終わったので、海沿いの道を十三湖へ向けて南下する。しだいに雨が降ってきて、実際に十三湖に来てみると、雨のせいかも知れないがそれは想像していた神秘的な湖ではなく、海とつながったただの濁った湖であった。第一印象は大きな川の河口のような感じだ。少々がっかりしたが、雨も降っている事だし、止まることもなく通り過ぎ、岩木山を左に見ながら十二湖をめざす。しかし、この地域はパーキングやトイレがいたるところにあるので、ドライバーにとっては非常にありがたい。

白神山地に抱かれた十二湖は、見た感じ想像どおりのところであった。しかし、やはり雨がふっていたので一回りしただけである。森の中に小さな沼が点在していて、道路はもちろんそれぞれの沼には駐車場や売店も整備され、散策も可能になっている。天気さえ良ければもっとここの良さを満喫できただろうに、残念である。ところで、筆者はこの十二湖でこの旅最大の失敗をおかしてしまう。最も奥にある沼の駐車場が有料だったので、Uターンしようとバックしたとたん、後ろのバンパーを石にぶつけて壊してしまったのだ。バックミラーには、妙に歪んで出っ張ったバンパーが常に見えるため気になってしようがない。傷心の気持ちで今日のねぐらを探すべく南下を開始する。明日は山形に帰らねばならないので、できるだけ山形に近い「道の駅」を探す。ガイドブックには温泉付きの「道の駅象潟」が載っていた。子供たちも温泉に入れることを楽しみにしていたのだが、到着した時には温泉に入る時間が足りなくなっていた。今日のところはあきらめて、明日入ることを約束して納得させる。今日は筆者と次女が2階のテントで、他のみんなは下のベッドである。雨はあいかわらず降っており音が気になるが、ビールでも飲んで寝ることにした。


5月4日(月)
【行程】
一般道路:象潟町(道の駅象潟11:30発)→鳥海山→酒田市→鶴岡市→山形市(自宅18:00着)

道の駅象潟
昨夜は熟睡できたせいか、すっきりした目覚めである。天気も朝のうちこそ雲はあったが、そのうちにピーカンとなってじっとしているのがもったいないくらいだ。9時になるまで待って温泉に入る。大人90分で350円、小学生200円だったか。小学生未満は無料である。ここはできたばかりの道の駅で、売店も規模が大きく来客も多い。海を眺めながら入ることができる風呂がまた大変気持ちよく、みんな大満足だ。Pキャンプをしているキャンピングカーも多く、温泉を目当てに利用する人もけっこういるようである。

駐車場は出入りが激しく常に満車状態で、我々はいつまでも特等席に陣取っていて申し訳ないくらいである。11時半ごろまでここにいて帰途に付く。途中、鳥海山を廻ったり、海で遊んだりしながら、いつもの酒田、新庄経由のコースをたどり帰宅する。最終日は何度も来ている日帰りコースなので余裕であったが、その他はけっこうきつい日程だった。テントを使うオートキャンプと違い、車内泊は身軽で長距離コースを選べるが、身軽さゆえ、じっくりと腰を据えることが無いため、しっかり観光しないと旅の印象が薄くなってしまう。オートキャンプもPキャンプも一長一短か。最後になったが、年齢3ヶ月の長男である慧(けい)君、お疲れ様でした。


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