Pキャン日記5
檜原湖・早稲沢浜キャンプ場1泊
平成10年6月20日〜6月21日

地図
筆者の近況は公(?)私とも忙殺状態にあり、息抜きのつもりで1泊だけのPキャンプに行くことにした。というのは、筆者は本年、子供が120名もいる地区の子供育成会長という、誰が考えても似ても似つかわしくない役職に推されてしまったからだ。(さぼっていたつけが回ってきたか)

月に1回程、大きなイベントがあり、その企画のために毎月の週末、2〜3回は役員会を開いて計画や準備をすることになる。ということはほとんどの土日はつぶされてしまうわけだ。おまけに本人は右も左もわからず、慣れない行事の企画のために頭の中が混乱している状況なのだ。たまの休日に全てを忘れさせてくれというわけで家族(女房、長女、次女、長男、チロ)を連れて楽しんで(?)きたいと言うのが本音である。

《今回新たに用意した物》
筒状に折りたためるパイプ椅子x1…Pキャンプの場合は荷物を少なくしたいので、椅子もオートキャンプのときとは別に収納性のよいものを持っていくのだ。これでこのタイプの椅子は3つになった。


6月20日(土)
【行程】
一般道路:山形市(自宅14:00発)→米沢市→大峠→喜多方市→猪苗代町→北塩原村(早稲沢浜キャンプ場19:00着)

今回も毎度のことながら自称”ものぐさキャンパー”の筆者は、ほとんど計画を練ることも無く長女が学校から戻ると同時に出発してしまう。積み込んだ物は水、パイプ椅子、愛用の枕程度で、シュラフをはじめその他必要な物は車の中に常備してあるのだ。目的地は特に決まってはいないが、天気も芳しくないため近場にしようということで、日帰りでは何度も行ったことがある裏磐梯方面に決める。そして適当な場所が見つかったらPキャンプという計画だ。途中で昼食をとりながらのんびり走ったので、磐梯山が見えた頃には18時近くになっていた。しかし、まだ陽が高いため、秋元湖キャンプ場やこたかもりキャンプ場、その他目に付いたキャンプ場の下見をしながら、檜原湖を一周して宿泊地を選ぼうと思っていた。そのうちに急速に陽が落ちてきたので、ちょうど視界に入ったキャンプ場に車を向けたのである。

眼下には、モーターボートがたくさん停泊して、人出も多くテントもあちこちに張ってあるキャンプ場が見える。さっそく下見に降りていったが、近づくにつれ「なんか前に来たことがある感じだなあ」と昔を振り返る。すると、なんとそこは平成5年に来たことがある檜原湖キャンプ場Jであった。当然、自分が言い出すまでは他のみんなはすっかり忘れていたようだ。
当時は湖畔の木々に覆われて、整備もされていない、キャンプ料も取られない寂しいキャンプ場だったが、現在はキャンプ場の一角でボートの競技も行われているようなちょっと開かれたキャンプ場に変貌していた。設備も当時のままの古いものもあるが、トイレや水場などは新しく整備されている。入り口にはキャンプ場使用料や日帰り使用料、ボート使用料など細々と書かれた看板があり、値段も高かったがPキャンプの場合はいくらだろうなどと考えながらとりあえず入ってみた。(パーキング宿泊ではないのでPキャンプは当たらないか)

管理人らしい人もいなかったので、既にキャンプをしている人に料金のことなどを尋ねてみる。すると、その人たちもまだ使用料などは徴収されていないらしく、「ここは車の駐車料1,000円程度を徴収に来るらしいよ?」とだけ教えてくれた。というわけで、このキャンプ場に本日の居を構えることに決定する。結局、翌日になっても誰も料金を徴収に来ることは無く無料となってしまったのだが…。 このキャンプ場が早稲沢浜キャンプ場という名であることは最近になってmapfanwebで調べてやっとわかった次第です(^^;

キャンプ場
キャンプ場
オートフリートップテントの傷跡
我が家は車の中で寝るので、できるだけ平坦で風を防げる場所を見つけて荷物を広げ始める。夜なのに一応タープを張り、テーブル、椅子、水タンクなどを並べ終え、車の中のベッド設営を終えた頃にはすでに周囲は暗くなっていた。
今日の天気は、日中は曇りときどき雨にもかかわらずポカポカとあたたかかったのだが、夕刻近くになってくずれはじめ、風も強くて肌寒くなる。おまけにここは藪蚊が非常に多くて、何の準備もしてこなかった我が家はパニック状態だ。筆者以外はジャンパーも持参しておらず、幸いなことに車に常備してある2枚のウインドブレーカーと各自のレインウェアが役にたつ。しかし、特に悪環境に慣れない女房殿は不機嫌で、長男が蚊に刺されはしないかと車の中に引っ込んだままである。

風が吹く中、一人でバーベキューコンロを取り出し、途中で購入してきた肉を焼く準備を始めたまではよいが、日中、小雨が降っていたのか、炭をおこすため集めたたきぎに火がつかない。周囲も暗くて作業がなかなか捗らない。一応、電池式の室内照明は2個持ってきたのだが、照度が弱くてガソリンランタンの重要性を再認識させられる。やっとのことで炭に本火がついて焼き肉ができる頃には21時近くになっていた。愛犬チロはその間、自由行動させていたのだが、暗くなって懐中電灯を持って歩いている他のキャンパーに吠えたりし始めたので車の中に入れ、家族を呼び寄せる。

いよいよ楽しい夕食だ?(ホンマかい?自分以外の者はみんな不機嫌で口げんかが絶えなくなっていたではないか…)
さすがに炭で焼く肉はうまい!筆者は最近、肉を炭で焼くことに目覚め、いままでも何度か自宅やドライブ先でやってきたが、今日みたいなどん底の環境でもうまいのだ。子供たちもパクパク食べるものだからまたたくまに無くなってしまった。

苦労して作った夕食もあっと言う間に食い尽くされ、夜もふけてきたので、さて寝ようかと車へ行ったところ…、なんと!!車のドアが開かない。鍵は差し込んだままであり、予備の鍵が入った財布も車の中にある。長男の慧君も中で寝ているのだ。「誰だ!ドアをロックしたのは!(-_-+)凸」家族の顔をじろっと見渡したが、誰もそんなことはしていないと言う。今までも車の側で遊ぶときには鍵などいちいちかけたりはしなかったし、もちろんこんなことは始めてのことだ。しばらくみんなでこうなったわけを考えていると、中にいたチロが運転席側のオートロックの近くに足をかけて我々を見ているではないか。さ・て・は・・・
ロおぉぉぉぉーーー (-_-+)凸

チロを車内に取り残して、我々だけでうまい焼き肉をぱくついていたのでは、チロも気が気ではなかったのだろう。チロを責める気にもなれずに筆者は最終決定を下した。幸いにも愛車フレンディーのテントは上がっていたので、持っていたナイフでテントを裂くことにしたのである。筆者は前輪に足をかけ2階へよじ登った。さすがにテントにナイフを入れるときにはためらったがしかたがない。中には長男もいるし、我々の寝床も無いのだ。こんな深夜のキャンプ場では誰も来てはくれないだろう。いままで愛車が傷つくたびに傷心の思いをしてきたが今回は格別である。(-_-;)ウーム

筆者は常にナイフのメンテを怠らないため切れ味は鋭かった。50pほど縦にスーッ、スーッと外側のメッシュから1枚目、2枚目と慎重にナイフを入れていったつもりだが、一番内側にあったオプションの冬用インナーテントまで切り裂いてしまったのだ。(あーあ、今時、インナーなんてはずしておけばよいものを…筆者の性格は思い立ったが吉日というか、とにかく一息ついて考えるなどはしない。後になって、ファスナーの元の近くを手首が入る程度切り裂いてファスナーを開ければよかったかな…とか、三角窓を壊した方が安上がりだったかなどと反省している。)そんなこんなで皆、寝床に付くことはできたのだが、筆者はなかなか寝付けなかったのは言うまでもない。


6月21日(日)
【行程】
一般道路:北塩原村(檜原湖畔キャンプ場11:00発)→ボート遊び→猪苗代町→福島市→米沢市→山形市(自宅17:00着)

檜原湖
今朝は昨夜のできごとのせいか異様に早く目覚めてしまったようだ。さて、テントの修復はどうしたものかなどと考えているうちに陽も上がってきた。そのうちに次女も起き出してきたので、二人で早めの朝食をとり、時間を過ごす。

本日はボートの競技会があるらしく周りもざわついてきた。しばらくして残りの家族も朝食を取り終えたので、さっそく準備してきたルアーフィッシングに挑戦してみることにした。それにしてもここ檜原湖は釣り客が多い。まだ早朝だというのに釣り竿を手にした客がどんどんとやってくる。みんなルアーフィッシングをするみたいである。筆者は海釣りや渓流釣り、川、沼でのヘラ鮒釣りなどの経験はあるが、子供ができてからは落ち着いてやったことが無くほとんど素人である。最近はもっぱら家族を連れて渓流釣り堀に行くくらいで、ルアーなどは初体験なのだ。今日のところは投げ方の練習をするつもりで長女とともに1時間ほどやってみたが、やはり1匹も釣れやしない。まわりの常連客も同様である。しかし、魚の姿も見えないのに、みんな黙々とルアーを投げ込んでいる。釣りには何か人を魅了するものがあるのだろうか。

ルアーフィッシングも終えてしばらくボーっとしてから、11時ごろ移動準備完了となった。こんどは湖の最南端にあるボート乗り場に行くことになる。そこは檜原湖では最大の観光売店があるところだ。筆者が何の気無しに口をすべらせたばっかりに、次女の強い要求で(ほとんどダダこね)行かざるを得なくなってしまったのである。白鳥を形どった脚こぎボートがあり、全員は乗れそうもないので筆者と長女、次女の3人で遊んでいると、観光遊覧船が少し向こうを通り過ぎた。すると驚くような波がきて我々のボートをぐらつかせたのである。(正直言って転覆の危機感を感じたくらいだ。)
筆者も長女もあわててしまい、それまで楽しそうにしていた次女はもうびっくりして泣き出してしまったため、早々に引き上げることになった。陸に上がった途端、子供たちは一目散に土産店へ駆け込んで行く。できるだけお金を使わないように心がけていたのだが、いつものようにお金は出ていってしまうものである。今回のPキャンプは息抜きのつもりが、とんだ災難を招いてしまうことになった。針金一本でドアを開けられる特殊技能を身につけておくべきだったか。すべての出来事が今後の糧になってほしいと願っている。


Pキャンプ一覧 Index