Pキャン日記9

縄文村
"ものぐさキャンパー"愛犬チロの捜索に必死の巻(´_`;)
古代の丘・縄文村1泊
平成15年7月20日〜21日

長井・葉山を背景にして


山形市→長井市・縄文村

このコーナーの更新はほんとうに久しぶりである。
理由は簡単。車内泊をメインテーマとした日記を書くほどの旅をしていないからである。それでもたまには簡易宿泊所がわりに寝泊まりすることもあったが、特に掲載する意欲も湧かなかった。今回も特筆するような内容では無いが、簡易ベッドの試行とちょっとしたできごとがあったので取り上げることにした。

《参加者》 筆者、次女(小3)、チロ
《今回用意した物》 スリム化した下段ベッドと小型テント一式


フレンディとツーリングテント
キャンプ地は山形県長井市の縄文村。これまでにも何度か遊びに来たことのある場所だ。梅雨も長引き、生憎の天気だったが、午後の晴れ間をついて出かけてきた。葉山という山の麓にある古代の丘という公園で、キャンプ場などもあるのんびりできるところである。資料館にはまだ入ったことがないので縄文時代との関係については不明だが、敷地内には縄文時代の住居や埴輪を真似た置物を見ることができる。明るいうちはテントを拠点にごろごろし、暗くなったら車内泊というもくろみ。さらに市街地を見下ろせる丘の上ということもあり、車内のテレビも良く映るので夕刻には子どももたいくつしないだろう。

下段ベッドの底板
今回の宿泊客は2名なので、1階と2階にそれぞれ1人ずつ寝ることにした。これまでのベッド作りは、2、3列目の座席を倒して1.3m幅のエアマットを使うか、倒した座席の上に底板を置いて普通のマットレスを敷くという方法だったため、ベッド作り自体が非常に面倒だった。その上、いずれの場合も乗り降りには大変苦労させられた。そんなわけで、今回は乗降の利便性ということに視点を置き、スノコを使った1名用のベッドを作ることにした。基礎作りは非常に簡単、力もいらない。2列目奥の座席だけをストンと前に倒してその上を利用してスノコの底板を置くというものである。当然、3列目の座席はいじらない。普段から積んである荷物などを使ってスノコが水平になるように高さを調整するわけだが、これは大ざっぱで良い。2列目入り口の座席もいじらないため、座ることができ乗り降りも通常通りである。スノコは55cmx85cmくらいのものを2枚購入して、蝶番でつないでおく。普段は折り畳んで3列目の座席に置いておき、以下に記載するマット類でもかぶせておけば、次女(小3)や長男(年長)ならそのまま横になって寝ることも可能となる。

下段ベッド
敷き布団にはキャンプで使っている65cm幅のインフレータマットを使用した。マットがすべる場合には、布製の封筒型シュラフに入れて敷けばいい。これで身長172cmの筆者が足を延ばして寝ることができる簡易ベッドの完成だ。2階の敷き布団は、AFTの隙間に常備してある90cm幅の3つ折りマットレスで十分。これを下段に持ってきてスノコの上に無理矢理敷き詰めれば、より広く安定したベッドにもなるだろう。掛け布団は、シュラフにするか、毛布にするかはお好み次第である。
以上のように、自分自身も満足できる宿泊施設の状況からして、本日のキャンプは大成功のまま完結する予定だった。

縄文村の池
さて、副題の件に移るが、この付近は果樹園が多いようである。一定の間隔で例の「バーン!!」という空砲が鳴り響いていた。愛犬チロはその音が大変怖いらしく音がするたびに「ヒューン」と怯えた声で鳴いていた。これまでもそういう音を聞くたびに非常に怯えていたことを思い出す。今回の場合は、まさかこんなことになろうとは思いもせずに自由にさせていたところ、いつの間にかチロの姿が見えなくなっていた。普段ならいくら姿が見えないといっても、しばらくすれば必ず戻って来たし、遠く離れることは決して無かった。しかし、今度ばかりは様子が違う。いくら待っても戻ってこないのだ。子供といっしょに付近を探しても見つからない。遊びに来ていた人たちに聞いてみても手がかりはない。そんな中、チロらしい犬が丘から下る道路を歩いていたという情報を得た。おそらく爆裂音が怖くてこの場から逃げ出したのだろう。犬は遠隔地で離れ離れになってもいつかは自宅に舞い戻るなどという話を聞いたことがある。しかし、それは犬が自宅の方角を感じる本能を持っているわけではなく、長い期間の彷徨の結果、かつて歩いたことのある散歩コースの一角に運良く辿り着くことができた場合にのみ、その道を辿って帰ってくるということのようなのだ。まさに偶然の成せる奇跡に近いできごとであり、帰ってくるなどは幻想とも言える話しなのである。ここは自宅からかなり離れたチロにとっては未知の土地。おまけに車で来ているため、まさにそんな非常事態を想像せざるを得なかった。捜索範囲を広げて車で付近の道沿いをぐるぐると探し回った。しかし、結局見つけることはできなかった。もう会えなくなってしまうのかと途方に暮れる一方、もしかしたら戻っているのではないかというわずかな期待を持ってキャンプ場へ向かっていると、先程キャンプ場でお会いした犬連れの川崎さんという女性の方の車と出会った。話を聞けば、帰宅する途中、丘を下りた道路でチロらしい犬を見かけたので、近くのペット美容室に預かってもらい、連絡メモを我々のテントに置いてきたところだという。さっそく彼女の車の後について西根小学校前にあるペット美容室「ぷるーむ」に行ってみれば、店員の人たちにきれいにブラッシングされたチロがいた。このときばかりはほんとうにホッとした。このあたりはキャンプ地からずいぶん離れている。やはり音から逃れたい一心で我を忘れて歩いてきたのだろう。チロは私を見るなり安心したのかキューンと小さな声で鳴いた。チロを抱きかかえながら、川崎さんと「ぷるーむ」の方々には丁寧にお礼を言っただけで別れることになったのだが、見知らぬ他人に対する親切な対応には、ほんとうに畏敬の念を禁じ得なかった。この場をかりてもう一度お礼を申し上げたいと思います。ほんとうにありがとうございました。_(._.)_
今想い出しても幸運が重なったことは間違いない。偶然だとしても私たちが犬好きの人に出会わなかったならば、チロは誰にも関心を持たれ無いままさまよい続けていたかも知れない。仮に誰かに拾われたとしても、人なつっこいチロはそのままその家で暮らすことになってしまったのかも知れない。最悪の場合、探し出すには相当の困難が予想されたわけだが、天もまだまだ捨てたものではないということのようだ。


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