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山形の打刃物が、粘りがありとても切れ味が鋭いのは、
すべてが鍛造の工程を経て生産されているからです。
まず材料を手打ちのハンマーで叩きながら原型を形作ります。 材料は軟鉄と鋼鉄を8対2の割合で2層にしてあります。 |
次に、ベルトハンマーを巧みに操り、形、厚さを整えていきます。 現在の工業技術では、整形だけならプレスの方が断然早いし安価です。しかし、敢えて力と技術の必要とされる、手作業による鍛造で刃物を作るということは、単に延ばす、曲げるいう工程のためだけではありません。 2層に張り合わせられた軟鉄と鋼鉄は、叩くことで、しっかりと接合され、粘りと張りが出てくるのです。 使いやすい刃物は、しなやかに曲がり、またもとの状態に戻るという特性を持ちます。ただ硬いだけの刃物では脆くなってしまうのです。 |
職人の技により、ハンマーだけで、刃物へと形作られていきます。鉄が意志を持っているかのごとく、材料を刃物へと形作ります。その製品の誤差は、わずか2ミリ以内です。 |
鍛造の仕上げは、やはり職人の腕です。 ベルトハンマーでの凹凸が、手作業により滑らかな曲面を形成していきます。 |
荒研ぎ まず、目の粗い砥石で全体の形状を整えます。 この時に、2層になった軟鉄の部分を削って、ハガネ(鋼鉄)の刃の部分を露出させます。 火花のダイナミックなイメージとは裏腹に、神経を使う作業です。 |
中研ぎ 更に刃先全体に、均一にハガネが出るように注意を払いながら、中目のグラインダで研ぎます。 |
仕上げ さらに切れ味を高めるため、目の細かい砥石で刃先を仕上げます。 この刃付けの作業には、相当な熟練が必要とされます。 まさに『職人の技』の見せ所です。 |