10月24日(日) 午後 エズ  P13
1 エズについて
コート・ダジュールにはニースやカンヌなどの高級リゾートばかりでなく、魅力的な村々が海に沿って点在している。これらの村にはサラセン人の襲撃を防ぐために、岩山の頂に城壁で取り囲むようにして築かれた「鷲の巣」と呼ばれる村も含まれる。エズもその一つで、海抜427mの岩山にある中世の面影を残す村で、ニースからモナコ方向に車で約20分のところにある。今回は悪天候のため見ることはできなかったが、晴れていれば、紺碧のコート・ダジュールの海を一望に見渡すことができる。


    写真1 エズ

2 エズの街
 街は人間が住みやすいようにつくられる。そもそも街は、人間がその中に入ったとき、安心できたり、落ち着けたりする場所だったはずである。今回のエズ視察で、改めてそれを確認する意味は大きい。

写真2 誘い込まれるようなエズの街の入り口

3 ヒューマンスケール
街を形づくる外壁の石の大きさ、道幅、天井の高さなどあらゆる物が、人間の身体的感覚にマッチしており、ヒューマンスケールな感覚の極致である。
 

写真3  エズの街並み

4 デッドスペースの利用
 街の中で等高線上につくられた路と路をつなぐ道路は、必然的に斜めに設置されるため、デッドスペースができる。そこには椅子を置いたり、植栽したりして、スペースを活用した景観をつくり出している。

写真4 椅子が置かれた道路

5 光陰による街の表情
城壁で囲まれて、外側に拡張できず、道路の上に増築されたと考えられるトンネル状の建物が所々に設置されている。これによりつくり出される光陰が、豊かな都市の表情をつくっている。


写真5 光陰をつくるトンネル状の建物
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