10月27日(水) 午前  P34

 写真9 ロータリーに残る古い水道橋

2 断崖絶壁・岩山の村 レ・ボー

 写真10 峠道からレ・ボーの城郭を望む

 (1) エコミュゼー
自分達の町や村がどんな風にできたのか、昔の人たちがどんな生活をしていたのか、こういう地域の歴史を展示するのが、それぞれの町のミュゼーの基本。どういう場所に生まれたのか自覚を持とうとする基本スタンスがあって、来訪者に紹介することもさることながら、そこに生まれ育った人たちが自分たちで勉強し、特に子供達に教えるというのが強い意識としてある。そういう強い意識を持ってつくるミュゼーを「エコミュゼー」といい、日本では「自然博物館」といって妙な訳し方をして、自然の紹介だとしているが、それは違う。もともとの「エコ」は、自然がベースにあってそのなかで人間が生活すれば文化があって、そうした地域のトータルが「エコ」である。自然と人間の関わりのトータルがエコなのだから、自然だけを紹介しているところはヨーロッパにはない。どんな村があったのか、どんな生活をしていたのかを必ずセットで紹介するのが「エコミュゼー」であり、日本では大変誤解されている。

 

写真11 歴史的建造物を利用したエコミュゼー

 歴史的建造物だと、日本だったらひたすら保存するが、博物館として使うには絵画や装飾品を飾るために、建物自体に穴をあけたりすることがヨーロッパでは割と許される。日本の歴史の保存だと文化庁が絶対許さない。殺風景でなにもない建物は使って初めて生きるのに、死んだもの、遺骸として存在しているようなものが日本には多い。こちらではそういうやり方はしないです。必ず生かして使い、魅力あるものとなっている。


   写真12 レ・ボーの教会


   写真13 今も残る城郭の一部

  (記録:小林雅史、小林真理)
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