10月27日(水) 午後 (マルセイユ)  P36
3 ロンシャン宮 Palais Longchamp

 19世紀に水道を引いてそれを貯める給水施設を作り両翼に王宮を建て立派な公園を作った。水がふんだんにあるから水を生かして見せ、市民に大事なことをアピールしている。古い水道の施設が公園として今でも多くの市民を憩わしている。
 一つ作ったものがいくつにも役に立つ、あるいは今の施設の機能が終わっても他に転用できるという奥行きのある施設整備。そのためにはぎりぎりに作らず、土地でも施設でもデザインでも余裕を持って作っておくことが必要。

写真5 ロンシャン宮

 フランスの庭園はイタリアの影響を受けて発展する。イタリアの庭園は傾斜地を使うため下に必ず人工的に洞窟を作り、中に鍾乳石や水路を作って人魚を浮かべたり、神様がいるとか工夫を懲らした。それでお客さんを驚かせるのが当時のブームであった。
 これがgrotesqueの語源。grottのようだな、グロテスクだなというのが言葉が変わって、奇怪なとか、趣味が悪いという意味で使われるようになった。

写真6 泉と建物の一番上のグロット

 裏手も公園になっているが、ここでやってはいけない例2つを発見。
 階段を下りた所に当時のものらしき擬木があり、もう既に色がはげている。これは表面の化粧の例。

 
 次に公園の中に石張り水路を発見。いわゆる、関係性を考えず自己完結+化粧の例。しかし、水があると憩えるし楽しんでいる人も多いからこれはこれで良しとするのか。(堀先生の評価)

写真7 擬木と水路

4 サン・シャルル駅 Gare St Charles

 日本と違い改札がなく、入り口からそのままホームに行ける。改札は非常に堅い施設で透過性も悪い。
 こちらの大きな町の基幹の駅は全部終点型で、引き込んで停まる。地方の駅は日本と同じ通過型。

写真8 ホーム

 改札はホームの片隅のパンチで自分で穴をあける。切符を持っていても穴が開いていない切符を出すとそれも罰金。  誰も見ていなくとも、自分でちゃんと責任を持って買って乗るのが当たり前だという考え方。大人の世界である。

写真9 改札
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